東京地方裁判所 昭和46年(借チ)2008号・昭46年(借チ)2020号 決定
〔主文〕1 甲事件相手方(乙事件申立人)から甲事件申立人(乙事件相手方)に対し別紙目録(二)記載の建物および同目録(一)記載の土地賃借権を金一六〇万円で売渡すことを命ずる。
2 甲事件相手方(乙事件申立人)は、甲事件申立人(乙事件相手方)に対し、前項の代金の支払いを受けるのと引換えに、前記建物を明渡しかつ所有権移転登記手続をせよ。
3 甲事件申立人(乙事件相手方)は、甲事件相手方(乙事件申立人)に対し、前項の建物明渡および所有権移転登記手続を受けるのと引換えに、金一六〇万円を支払え。
〔理由〕甲事件相手方(乙事件申立人。以下「相手方」という。)から別紙目録(一)記載中の土地(以下「本件土地」という。)にかかる同目録記載の土地賃借権譲渡許可の申立がなされたところ、賃貸人である甲事件申立人(乙事件相手方。以下「申立人」という。)から本件土地賃借権および本件土地上の別紙目録(二)記載の建物(以下「本件建物」という。)の譲受けの申立がなされた。右各申立はいずれも適法と認められるので、本件建物および本件土地賃借権の対価を定め、相手方から申立人への譲渡を命ずる。
鑑定委員会は、申立人が買受ける本件土地賃借権および建物の対価を金一六〇万円とし、その理由として、本件土地の更地価格を3.3平方米当り金一五万円、申立人が買受ける際の借地権価格をその六〇%である金九万円、合計金一、五七五、〇〇〇円とし、建物価格を二五、〇〇〇円としている。
当裁判所も右意見の結論を相当と認める。なお、その理由に付加すれば、本件土地賃借権を一般第三者に譲渡する際には、右意見より高額になり、課税財産価格の評価額、東京都公有財産規則による借地権価格および本件賃料、建物の老朽度を考慮し、本件土地の借地権価格は更地価格の六六%が相当であるが、賃貸人が譲受ける内部的価格は右の額と必らずしも符号せず、賃貸借の経緯等からみて、借地権価格の値上り分の一部を公平上地主に配分すべき部分を清算してその対価を定めるべく、本件資料にてらして、右事情を考慮すれば、賃貸人が譲受ける借地権の対価を更地価格の六〇%とする鑑定委員会の前記意見は是認できる。(筧康生)
目録(一)
(賃借権の内容)
1 目的土地 東京都足立区梅島一丁目三番一〇
宅地 318.69平方米
のうち、57.85平方米(17.5坪)
2 当事者
賃貸人 申立人
賃借人 相手方
3 目的 非堅固建物所有の目的
4 期間 昭和二八年一一月三日から期間の定めなし
5 賃料 一ヶ月金八七五円
目録(二)
(建物)
東京都足立区梅島一丁目一三二番地一
家屋番号一三二番一の五
木造瓦葺平家建居宅
床面積 34.71平方米
現況 40.49平方米